5.天体の半自動導入(工夫例)

 自動導入ソフトは、今や必須の道具ですが、4年ほど前に考えを変えました。少し紹介します。多分分かりにくいと思います。

◆前提:メシエ天体撮影、焦点距離2000mm程度、赤道儀付属又は
    他社自動導入機能使用、オフアキシスガイド方式、PHD/
    PHD2利用

◆背景:この環境で、数分ガイドを行っていましたが、PHDでみる
    ガイドズレと修復の動作がはなはだしく、8枚撮っても
    2~3枚は没のような結果が続きました。
    何度落ち込んだことか。
    色々な試行錯誤[極軸合わせ追い込み、赤道儀のバラン
    ス、ソフトのパラメタ組合せテストなど]で、改善する
    場合もありますが、とにかく安定しない!

◆要因:あくまで私見で根拠は?
    ①極軸合わせの精度不足
     ・赤道儀の極軸望遠鏡設定ではどうも不足
    ②色々な面の負荷が、赤道儀の処理・PCの処理に影響
     ・赤道儀付属コントローラアクセス
     ・自動導入ソフト(ex.ステラナビ)が多分200ms間隔
      でアクセスか?
     ・ガイドソフトは、2000mm&オフアキだと数十ミリセ
      ック間隔の設定要
    ③自然環境の影響
     ・夏と冬では、ガイド精度が異なる(ガイドスピード
      の調整がある程度効果)
    ④オフアキでのガイド星の品質
     ・望遠鏡鏡面の方式により、星像が丸にならない/星像
      が大きくなる影響で、ガイドロスト/エラー発生

◆改善例:私の場合、以下を一度に出来た訳ではなく、試行錯誤
     で1~3年ほど
    ・上記②が一番と考え、自動導入ソフトは使用しないで
     【半自動導入方式】で赤道儀・PC負荷を軽減させました。
      -具体的には、EXCEL(実際はOpenOffice)で作成
      -表1)アライメント星一覧から1つ選択
       表2)天体情報のデータベース[M/NGC/IC番号、
          RA/DEC数値、etc.]
       表3)表1のRA/DEC値と導入後実体値入力、表1
          表2を基に計算した対象天体のRA/DEC修正
          値表示
      -表3で得られたRA/DEC値で、赤道儀コントローラ
       又はASCOMソフト(私はこれ)で導入する

   【表1】

f:id:dondonpeace:20181201225529j:plain

 

 

 

 【表2】
    f:id:dondonpeace:20181201225544j:plain

   【表3】

f:id:dondonpeace:20181201225556j:plain

    ・上記①のために、当時新しく発売されたPolemastar
     を導入
    ・上記③は、PHDの状態からRA/DECのガイドスピードを
     調整
    ・上記④は、リッチークレチアン方式の物に入れ替え

◆現在の状況
 時に異常もありますが、赤道儀搭載限界荷重にもかかわらず、
 安定しています。ただ、風の影響は敏感に影響します。